創業30年
職人として万全な工事を親方として誠実に人材育成を果たし
人々の笑顔に貢献する社長の半生
代表取締役 大山 文男
プロフィール: 茨城県つくばみらい市生まれ。 15歳ごろより建築業界に入り、修行を重ねて20歳で独立。 30代半ばまで塗装工事を行うと共に、他の業種の職人仲間を増やしていった。 その仲間を束ねる形で『関東パナホームサービス(現パナソニックリフォーム)』の現場に入るように。現在は40名もの仲間のネットワ―クを持ち、多種多様な建築工事に幅広く対応している。
住宅のリフォーム工事をメインに、塗装・防水・シーリング・エクステリア工事を手掛ける『クレスト』。
その実績と信用から『パナソニックリフォーム』などの指定工事店にも認定される会社である。
- 大山社長はこれまでどのような道程を歩んでこられたのでしょう。
- 私は15歳のころから建築の仕事に携わってきました。私が付いた親方は、東京で修行を積んで年季が入った腕の確かな職人で、その方から仕事を覚えるまでみっちり、マンツーマンで教えていただきました。下積みは5年間で、当時は1日で他の職人の2日分働いていましたね。そして20歳で独立。親方に鍛えられ、寝食を忘れて働いたその5年間のお陰で、私は独立できたと思っています。
- 精力的に活動してこられたのですね!若くして独立もして、順調でしたか。
- はい。幸い当時は、バブルが弾けて間もなく、まだ仕事がある時期でした。私は若い衆を4人ばかり集めまして、営業の会社に付いて仕事をいただき、数をこなす形でスタートしました。当初は塗装専門で、建物の塗り替えなどを主に行い、実績を積んでいきました。そしてやがて多くの方々に信頼いただけるようになり、現在では『パナソニックホームズ』や『パナソニックリフォーム』、『エスケー化研』の指定工事店としてリフォーム全般を行っています。
- それは大きくなられましたね。『パナソニック』関係のお仕事なんて、なかなか取れませんよ。どのようにしてコネクションを築かれたのですか。
- 『関東パナホームサービス(現パナソニックリフォーム)』の社員の方から声を掛けられ、塗装の仕事からスタートしました。そして、仕事をする中で当社が様々な業務を手掛けられる点を評価いただけるようになり「あなたの会社で様々な業務を一手に手掛けてほしい」とのご依頼を受けたのです。それで、仲間の職人たちと皆で手掛けて現場を納め、ご満足いただいて、以後も仕事をいただけるようになりました。
- ほう。仲間の職人さんはどれくらいいらっしゃるんですか。
- 現在、総勢40名ほどです。うち10組は、私のもとで弟子をしていた人が独立し、その後も集まってくれる人たち。また近所で独立してやっている幼馴染も何人もいます。そういったパイプがあるから現場の数もこなせますし、阿吽の呼吸で良質な仕事を納めていると自負しています。
- 独立したら離れていく人もいる中で、その団結力はすごいですね。
- 忙しくても手伝いに来てくれていて、皆には感謝しています。私自身も積極的に自分の親方の手伝いに行っており、その姿を弟子たちが見てくれていて、彼らも独立した後も来てくれるのかなと思います。
- 良い師弟関係ですね。人を育てる上で大事にされていることは何でしょう。
- 積極的に現場に赴き、自身の仕事を皆に見せることですね。そして一緒に仕事に取り組み、弟子が親方と兄弟子のやり方を見極めるまでに育て上げる。そうすることで職人を一人前にすることができますし、そうした熱心な姿勢あってこそ、皆が「この人についていこう」という気持ちになれると考えています。
- 「継続は力なり」と言いますが、社長は一人ひとりと向き合い、じっくり時間を掛けて人材を育てておられるんですね。社長から若い世代にメッセージを伝えるなら何でしょう。
- 何と言っても仲間の大切さですね。上の人も下の人も別け隔てなく、仲間を大事にしていってほしいと思います。そうしていれば、いざという時にお互いに助け合いもできるでしょうし、仕事も続いていくんですよ。
- まさに社長が実践してこられたことですね。最後に、今後の展望をお願いします。
- 私はこれまで、職人さんたちをはじめ仲間を大事にすること、お客様に喜ばれる仕事をすることを大切にし、ここまで歩んできました。年齢的に、自分の弟子はもう持たなくていいかなと思っていますが、仕事はこのペースで変わらず続けていきたいですね。実は私は2015年に交通事故に遭いまして、しばらく現場から離れていました。最近ようやく復帰できましたので、また少しずつ歩み出し、実績を積み重ねていきたいと思います。
「CENTURY」2020.2 VOL275 より